ウェブサイト制作を主な事業として掲げる我々インヴォルブですが、実はウェブサイト制作だけを売りにした会社の未来はおそらく明るく無いのではないかとも考えています。きっとこの先、多くのウェブサイト制作会社はどんどんと時代に淘汰されていくことでしょう。
今回の記事では今後のあるべきウェブサイト制作会社のあり方を考えてみたいと思います。
ウェブ制作ツールの出現でウェブサイト制作が身近になった
ネット黎明期ならいざ知らず、2017年現在においてウェブサイト制作とは決して一部の人間にのみ可能な特殊な作業というわけではありません。
例えば既に顧客となっているお客様向けのメニュー表代わりのようなただ情報が羅列しているだけの企業ホームページは今でも多く目にすることができます。そして、そのような簡単な企業ホームページを作るのも昔はそれなりの労力と知識が必要だったものの、今となっては身も蓋もない言い方をすればお茶の子さいさい、誰にでも可能な簡単な作業なのです。人の手を介さずに無料で自身のホームページが作成可能なウェブサービスというものが数多く存在しています。
ウェブサイト制作ツールの出現
WIX(ウィックス) – https://ja.wix.com/
jimdo(ジンドゥー) – https://jp-m.jimdo.com/
Ameba Ownd(アメーバオウンド) – https://www.amebaownd.com/
お知らせやサービスなど必要最低限の情報を載せるだけのホームページを作ろうと思った場合には、このようなサービスを利用することで誰でもいくらでも簡単にホームページを作成することできるのです。これまでなら需要があった作るだけのウェブ制作会社も、今後はこれらの無料サービスに取って代わられて、その存在価値を失っていくことになるでしょう。
さらに一部の目的に特化した制作ツールも
また、通販サイトとしての役割を兼ね備えたホームページを無料あるいは安価で簡単に作れるサービスも最近では登場しており、今後も無料サービスを利用して簡単に作れるウェブサイトの幅というのはどんどんと広まっていくことでしょう。
BASE (ベイス) – https://thebase.in/
Shopify – https://www.shopify.jp/
メイクショップ – https://www.makeshop.jp/
ウェブサイトに期待される役割について考える
このように、単純なそのままの意味でのウェブサイト制作の敷居が下がる一方で、インターネットそのものの重要性が社会的に大きくなっていくなかでウェブサイトに求められる付加価値もどんどんと高まっている現状があります。一例として現在ウェブサイトに期待される役割について考えてみましょう。
以前は既存顧客向けのメニュー表に過ぎなかったウェブサイトですが現在はそれだけに留まらず新規顧客獲得のための窓口としての機能も求められています。たとえば、潜在顧客となるユーザーの検索結果にサイトを表示させるためのSEO対策。サービスと親和性の高いキーワードでの検索順位も、多くはウェブサイト内部の施策によって上下することとなります。
また実際に潜在顧客がウェブサイトを訪れた後にいかにサービスに興味を持ってもらうか、いわゆる接客の部分を担うのもまたウェブサイト自身です。各ページでの顧客に与える情報濃度を意識しながら問い合わせや商品購入など任意のポイントまで辿り着いてもらえるよう意識されたウェブサイトが理想とされます。そしてこれらウェブサイトに求められている付加価値を最大化するための技術というのもどんどんと進化を続けています。また、それに伴いインターネット全体における環境や常識、トレンドといった諸要素もめまぐるしい変化を繰り返しています。
ウェブ業界で生きる身としてどう向き合うべきか
ではこのような状況下において僕達ウェブ業界で生きる身としてこれらにどう向き合っていけばいいのでしょうか。
ウェブの知識だけあればいいわけではない
ここまでお話してきたことを整理すると、今日でのウェブサイト制作という作業は、誰でも簡単にできてしまう部分と、明日には古くなるかもしれない知識を日々更新しながらでないと的確な対応のできない部分が混在している状況であると言えます。
ウェブサイト制作会社を名乗る以上は専門性の高い後者の領域をどれだけ担えるかを重要視するべきなのはもちろんですが、単にウェブに対する知識だけがあればそれで事足りるというわけでも決してありません。
極端なことを言ってしまえばウェブサイト制作会社が作ったサイトよりも、クライアント自身が無料サービスを利用して作ったウェブサイトの方が付加価値的な部分を含めてもなお優秀なサイトであるといったことも現在では起こりかねません。これは、それほどまでに無料ホームページ作成サービスもまた進化を続けているということでもあります。
前述したような通販機能のような追加に加え、時代のトレンドに対応したデザインが日々リリースされていたり、サービス内全体がソーシャルメディアのように相互につながれるようになっていることで集客力も兼ね備えたりといった工夫が無料ホームページ作成サービスのなかでも見られます。
クライアントサービスへの深い洞察が必要
このようなウェブの知識を持たないクライアントに作れるウェブサイトの幅がどんどんと拡がっていくなかで、ウェブサイト制作会社に何より必要なのはクライアントサービスへの深い洞察です。ウェブに関する最新の知識に、売り出すサービスへの理解がクライアントと同等かそれ以上に伴った時、初めてウェブサイト制作会社は無料ホームページ作成サービスでは提供できない価値を生み出すことができるのです。
繰り返しになりますが現在での無料ホームページ作成サービスの発展というものは目覚ましいものがあり、今後も新たな技術をどんどん自動化してだれでも簡単に使えるように進化していくことでしょう。また、それに伴って成長をやめてしまったウェブサイト制作会社というのはどんどんと淘汰されていくことでしょう。
最新の技術や知識とクライアントサービスとの橋渡し
そんななかで存在し続けることが可能な意味あるウェブサイト制作会社の姿、それは自動化される前の最新の技術や知識とクライアントサービスとの橋渡しを行うこと。もしクライアントが直接ホームページ作成サービスを利用していたならそこにあるテンプレートにただ自社サービスを嵌め込むだけのただの足し算になってしまっていたところを、ウェブと親和性の高いサービスのポイントを見極めそこを全面に打ち出したマーケティングを図ることで掛け算にする。
これこそが人の手を介してウェブサイト制作を行う意味であり、自動化に主眼を置いたサービスにはできないクライアント様と顧客をつなぐ仕事であると考えます。もちろん、その時々で流行となったデザインや技術は自動化の波に取り込まれすぐに陳腐化してしまうことでしょう。そんな中でも更に最新のトレンドにアンテナを張り巡らせつつ、常にクライアント様と共に時代の最先端を走り続ける。そのような姿勢こそがこれからのウェブサイト制作会社のあるべき姿であり、我々インヴォルブもまたそうあり続けたいと考えています。